こんにちは、薬剤師の安藤です
今回のテーマは「心房細動による脳梗塞予防」
皆様、心房細動ってご存知ですか?心房細動とは、心房という心臓の一部が、不規則に震える状態のことです。実はこの心房細動は、脳梗塞を引き起こすおそれのある病気なのです。脳梗塞を起こすと、重い障害が残り、寝たきりなど家族の介護なしでは生活できない状態に発展することもあります。そういわれると、心房細動がみるみる恐ろしい病気に思えてくるかもしれません。ただし、きちんと治療することで、脳梗塞が起こるのを抑えることができます。
心房細動の主な自覚症状なのですが、まったく何も感じない患者さまもいらっしゃいますが、動悸、めまい、胸痛や心臓の不快感などがあります。
心房細動が起きると・・・
心房という部分が、ブルブルと痙攣したように不規則に収縮します。
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心房内で血の塊(血栓)ができやすくなります。
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心房内でできた血栓が血流に乗って脳の血管に移動します。
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脳の血管で血栓が詰まると、脳梗塞が起こります。
脳梗塞を一度起こした人は、再発しやすくなります。
では心房細動による脳梗塞を防ぐにはどうすればいいのでしょうか?
心房細動による脳梗塞予防には血を固まりにくくする薬(抗凝固薬)を飲むことで、脳梗塞が起こるのを60%も抑えることができるのです。
現在、抗凝固薬はプラザキサ、エリキュース、イグザレルト、リクシアナ、ワーファリンの5種類があります。抗凝固薬の種類によって、1日に飲む回数、1回に飲む数、薬にかかる費用などがそれぞれ異なります。
抗凝固薬を飲み忘れると、脳梗塞が起こるリスクが高まりますので、毎日きちんと飲み続けてください。
(飲み忘れ防止するためには、先週の武田のブログをご覧ください )
抗凝固薬を服用すると、血が固まりにくくなるため、出血しやすくなります。よく起こる出血の主な症状には歯茎からの出血、鼻血、皮下出血などがあります。出血を避けるために、次の点に注意してください。
・ヒゲを剃るときは電気カミソリを使用
・歯ブラシは柔らかめ
・鼻をかむときはやさしく
・けがのおそれがある仕事や運動はなるべく避けましょう
心房細動による抗凝固療法について簡単にご説明しましたが、詳しくは医師や薬剤師にご相談ください。