こんにちは、薬剤師の山田です
ライフ薬局のある茨城県神栖市もこの冬最強寒波の影響で毎日寒い日が続いています。
またインフルエンザや感染性胃腸炎で来局される患者様が増えています みなさま、手洗い・うがい・マスク着用などをして感染予防に努めましょう!
ライフ薬局は循環器専門クリニック・透析クリニックの門前薬局です。
そのため高血圧治療薬を服用されている方が非常に多く来局されます。冬場になり、今まで安定していた血圧が不安定になり薬が追加されたり増量されたりする方を多く見かける気がします。
そこで本日は、
冬と高血圧の関係と高血圧治療薬の種類や特徴について簡単に紹介させていただきます
<冬と高血圧について>
血圧とは、血液が血管の中を通るときの血管にかかる圧力のことです。
心臓はポンプのように収縮と拡張を繰り返すことによって、体中に血液を送り出しています。
この圧力が基準値以上の状態が続くことを高血圧といいます。
血圧は季節によって変動しますが、特に冬場は以下の理由で血圧が上昇するそうです。
①寒さを感じると体温の発散を防ごうとして血管は収縮し血圧が上昇する
②冬は運動不足になりがちになり体重が増えることで血圧が上昇する
③冬場は忘年会や新年会など飲酒の機会も増え、食事による塩分摂取が増えることで血圧が上昇する
<高血圧治療薬について>
①カルシウム(Ca)拮抗薬
血管平滑筋細胞へのCaイオンの流入を抑えることで血管の収縮を抑え、血管を拡げ血圧を下げます。
Ca拮抗薬はいくつかの種類があり、高血圧によく用いられるのがジヒドロピリジン系のCa拮抗薬です。
Ca拮抗薬には、末梢血管を拡張させるだけでなく、心臓の血管も拡げる働きがあり、高血圧だけでなく、狭心症の治療にも用いられます。
②アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)
アンジオテンシンⅡという血管を収縮させる物質が受容体に結合するのを妨げて、血管を拡張させ、血圧を下げる作用を示します。
ARBは心不全・腎障害や糖尿病性腎症にも有用であることが報告されています。
③ACE阻害薬
アンジオテンシンⅡは、アンジオテンシン変換酵素(ACE)の作用を受けてアンジオテンシンⅠから作られますが、ACEを阻害すれば作られません。それがACE阻害薬の働きです。アンジオテンシンⅡが作られなければ、その結果、血管は拡がり、血圧が下がります。
ACE阻害薬は、心不全や腎障害(特に糖尿病性腎症)の治療にも有用であることが確認されています。
④利尿薬
血液中の水分が増えると血管を流れる血液量が増えてしまうため血圧が上がります。利尿薬は尿の出をよくして血液中の水分を減らすことで血圧を下げます。
⑤β遮断薬
交感神経系の興奮は、ノルアドレナリンがβ受容体に結合することによって、心臓や血管に伝わります。β遮断薬は、β受容体にノルアドレナリンが結合するのを妨げることによって心臓の心拍数を減らし収縮力を弱め血圧をさげます。
β遮断薬は不整脈や心不全の治療にも使われます。
⑥α1遮断薬
交感神経系の伝達物質であるノルアドレナリンは、血管のα受容体と結合し血管を収縮させますが、α1遮断薬はその結合を遮断して血管を拡張させ血圧を下げます。
高血圧治療薬は患者様の年齢やその他治療中の疾患・併用薬によって使われる薬は異なってきますし、1つの薬で血圧が下がらない時は併用して使われることもあります。
病院を受診する際は、必ず医師に他院受診の有無・服用中の薬剤の有無をお伝えして下さい
今回は高血圧治療薬に的を絞ってブログを書かせていただきました。自分の薬がどの種類に当てはまるかな~、など何か気になることがあればいつでも質問して下さい