「トクホ」の基礎知識

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こんにちは、薬剤師の石原です。
少しずつですが暖かくなってきました。
我が家の庭には、7年前に「水戸の梅まつり」に行った際に買ってきた梅の苗木が植えてあります。
その梅がちらほらと咲き始めました。
春が近づいているのを感じます。

さて、話は変わりますが、皆さんは「トクホ」を利用されていますか?
トクホとは、「特定保健用食品」の通称で、体の構造や機能に影響を与える成分を含み、特定の保健用途を表示することが消費者庁から許可されている食品のことです。
トクホと呼ばれるものは原則、臨床試験を行い、審査・許可を受けなければなりません。

トクホができたのは1991年。当時は厚生省の管轄でしたが、2009年9月から消費者庁に移管されました。
2015年2月現在では1143品目が許可を得ており、そのパッケージには消費者庁許可の文字と両手を広げた人のマークが付いています。

特定の保健用途の表示とは、
おなかの調子を整える食品
血圧が高めの方の食品
コレステロールが高めの方の食品
血糖値が気になりはじめた方の食品
ミネラルの吸収を助ける食品
血中中性脂肪、体脂肪が気になる方の食品
虫歯の原因になりにくい食品
歯を丈夫で健康にする食品
体脂肪がつきにくい食品
骨の健康が気になる方の食品
があります。

ライフ薬局で扱っている「賢者の食卓」のパッケージはこんな感じです。

薬との違いが分かりにくいのですが、トクホは食品衛生法・健康増進法によって規定された保健機能食品、あくまでも食品で、医薬品ではありません。

ちなみに、トクホとともに保健機能食品に含まれるものに「栄養機能食品」があります。
栄養機能食品は、消費者庁が指定した栄養成分(12種類のビタミン、5種類のミネラル)を決められた量含んでいれば、許可申請なしに表示することができます。
ライフ薬局で扱っている飴やウエハースはこちらに該当します。

では、トクホはどのくらい効果があるものなのでしょうか?
その根拠となるのが、申請時の臨床試験データです。
臨床試験は、関与成分(例えば賢者の食卓では、難消化性デキストリン)を含む食品摂取群とプラセボ群の比較試験を行い、統計学的に有意差が確認されなければなりません。
その試験においてトクホは有意差がついたものであり、つまり効果の程度が検証されています
ただし、その試験の被験者は、概ね少なく、また健常人から軽度の疾病の方であるため、病気の方に対する効果ではないことに注意が必要です。

国立健康・栄養研究所のサイトの「特定保健用食品の製品情報」には、それらデータの概要が載せられています。
気になる製品があれば、ぜひご覧になってください。

食品名の他に
・適切な利用法
・利用上の注意事項(該当者は医師と相談が必要)
・関与成分についての解説
・安全性に関する評価
・有効性に関する評価
などです。
例えば、有効性に関しては、
『健常成人〇名を対象に、〇〇を配合した被験飲料(当該食品)および含まないプラセボ飲料を負荷食品と共に摂取し、摂取前、摂取30分後、60分後、90分後、120分後の血糖値を測定した結果、当該食品摂取群の食後血糖値はプラセボ群と比較し低値を示した。』
といった記載です。
もっと詳しく知りたい場合は、一緒に記載されている引用文献を読むとよいかと思います。

以上をチェックし、自分の目的に合ったトクホかを確認した上で、利用上の注意事項・摂取量を守って上手に利用してください
とはいえ、トクホを摂っているから大丈夫と安心せず、健康のためには、まずは日頃の食生活を改善することが大切です。

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